SSブログ

山がある [ほぼ日手帳]

山は良い。
なんつっても空気が澄んでいるし、緑の香りも好きだ、流れる川の透明度も好きで、バイクの免許を取り立ての頃は週8で山に行っては川で小さいダムを作ったり、暑い時は我慢出来ずに服のまま川にロケットダイブをかましていた。

そんな事だから周りの友人からは
「あいつは山に憑かれちょる」
「はす向かいの吾作どんの話では学校サボってまで山に行っとるそうだ」
「山の神に好かれたのかもしれんなぁ、あな恐ろしい事じゃあ....、くわばらくわばら」
などと話題になったりならなかったりしてたのだ。
山登り.jpg
しかしそんな山も夜になると表情を変える。
とにかく音が無い、バイクでペケペケいいながら走ってる時は良いのだが、ちょっくら休憩、なんつってエンジンを止めると、途端に闇と無音の世界が姿を現す、まあ、それでも車がちょくちょく通り過ぎるので平気なのだが....。

で、あるワイルドな友人がいて、そいつは家には中々帰らず、やたらとでかいリュックを背負っては、公園や川岸などで寝袋を使い夜を過ごしていた。
そいつがある時バイクで山に行った時に何を思ったのか
「男は山篭りして成長するんだい!」と、いつものように居心地の良い場所を見つけて寝袋に入った。
が、夜の山は静か過ぎたという。
真っ暗な山の中、無音な状態でいるとちょとした音にも反応してしまい、得体の知れぬ恐怖で頭がおかしくなりそうだったのでソソクサと退却したのだという。
「人気の無い山で1人で1晩過ごせたらたいしたもんですよ」と、たべっ子どうぶつを食いながら友人はそう言った。





コメント(2) 

コメント 2

はぐれもみ

15年ぐらい前、原付を買ったばっかりの頃、自分も週8ぐらいで用があろうと
なかろうと山を飛び谷を越えあちらこちらへと出かけたもんです。バイク、山
のキーワードで思い出してしまいましたよ。
ある秋の夜、海でタチウオを釣ってアパートに帰る途中、真夜中の峠で原付の
ライトが切れてしまったんです。新月で真っ暗なうえ峠の頂上付近で街灯はぽ
つーりぽつーりとしかなくほとんど何も見えないのでスロットを恐る恐る回し
歩くぐらいのスピードでふもとの市街へ向かいました。折しもブレアウィッチ
プロジェクトという映画が大ヒットした時期で、しかも峠から見える山は地元
で有名な心霊スポットの野呂山。もう一人野呂ウィッチプロジェクト状態でビ
ビりまくりですよ。ご友人のように音に反応しては悲鳴を上げ、静かなら静か
でまた恐怖心が煽られる、たまにある街灯の近くではタチウオが日本刀に見え
てきて怖くなる。そんなこんなでガタガタ震えながら1時間以上かけて峠を下
りコンビニにたどり着いた時はもう足腰が立たず産まれたての子馬状態。その
まま夜が明けるまでコンビニの駐車場で過ごしたトラウマ体験。
夜の山は舐めちゃあいけません。
by はぐれもみ (2014-06-21 21:04) 

ろっぽんそー

はぐれもみさん

そうなんです、山を舐めると大目玉をくらうのです。
元々山の神というのは女と決まっているので男にちょっかいを出すとの事。
親戚のハトコの隣に住む元狩猟者、つまりハンターの爺さんの話では
「山で不思議な事にあったらまずは落ち着いてタバコを吸え」なんつってました。
タバコの煙が魔を遠ざけるんだとか。

それにしてもはぐれもみさんのバイクは空気を読みますね、恐ろしい目に遭うととにかく人混みの中に身を置きたくなるのも解ります、普段はハードボイルド気取りの自分も少し怖い目に遭うと人混みの中にダイブです。

「静けさが耳に痛い」そんな言葉を思い出しましたよ、あたしゃあ。
by ろっぽんそー (2014-06-22 06:52) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。