鳥かごに住むジュリエット

あれはカインズホームのペットショップで出会った、空がスコンと青い日だった。
それはオカメインコの「きなこちゃん」だ、名前は勝手につけた、黄色い色にほっぺの赤がやけにまぶしかった、惚れた、いつも以上に惚れた。

しかし二人は住む世界が違う、でも、でもだ、自分が一歩踏み出せば二人は一緒になれる、しかしスンともカンとも踏み出せない、その一歩が、大きな一歩が、踏み出せないのだ。

そこには金銭事情やらキチンと愛して世話できるのかやらの問題がある、でもって自信がない、オイソレと飼えない、本当は家に連れ帰って首周りの所を指でウリウリかいてやりたい、手のひらで眠らせたい、が、それは許されないのだ、自分に飼われるより他の人に飼われたほうが幸せなのだ。

今はただ、ガラス越しに見つめる事が、自分にできる、最大の愛情なのだ。
もうね、チョクチョク行っちゃうよ、すぐに指名しちゃうよ、ボトルも入れちゃう、キャバクラにハマるってこんな感じなのかしらん。

飼い主さんに伝えたい130のこと インコがおしえるインコの本音

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• 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
• 発売日: 2017/07/20
• メディア: 単行本